◆いつか立ち上がると
信じて

◆誰かの役に立てることが心の癒し
◆冬の暮らしを守る支援
◆2千2百万人の悲しみ
◆戦闘の始まり
◆戦闘に巻き込まれた
?!

◆「避難する」ということ
◆避難する人々の上に
降る悲しい雨

◆支援現場での葛藤と
選択

◆終わりなき苦悩。
漂流する難民・避難民

◆正確な情報とは?
◆働く喜び!
◆贈る喜び
◆習うより慣れろ
◆道なき道をゆく人びと
◆終わらない戦争
◆小さいけれど大切な
こと

◆お節介のすすめ
◆思い浮かぶ豊かな自然と人々の顔
◆柔らかい会議
◆何を基準に募金を
しますか?

◆「おはなし隊」が終わります
◆平和を構築する
ジグソーパズル
◆JENとわたし
◆変わらず生き続けている理念

◆プロフィール

わたしと仕事

お節介のすすめ 地球に暮らす住人だからこそ

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魚網編みのワークショップ。共に作業することで
徐々に打ち解けていく(スリランカ)

都会の人は冷たい…のかどうかは判らないが、私は隣の住人たちの顔を見たことがない。7年前に今のアパートに引越して来た時、手土産を持って両隣と上下の階を訪れた。昔は『向こう三軒両隣』今は『上下左右』と聞いていたからだ。だが挨拶できたのは右隣りの一軒だけ。タイミングが悪いのかと、翌日も週末も様々な時間帯も試したが、結局不在で会えなかった。その後、知らない内に右隣りも入れ替わり、上下左右で顔を知っている人は、一人もいなくなった。

子どもの頃、私が住んでいた所では全く様子が違った。父の勤める会社の社宅で、会社での繋がりや同じ学校に通う子どもたちなどの要素もあったと思うが、とにかく人間関係は密接だった。味噌や醤油の貸し借り、頂き物の『おすそ分け』は当然で、親たちがどうしても外出しなければならない時、私たち子どもは近所の家に預けられ、面倒を見てもらった。人の行き来が気軽で生活にも入り込んでくる。互いに大いに干渉されるのだが、物事は自分の思い通りには行かないものだと知る機会に恵まれると共に、温かい共同体が形成されていたと思う。

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学校用テントを運ぶにも地元の人たちの協力が必要
(パキスタン)

子ども時代の思い出のせいだろうか。支援の現場で出会う家族や地域社会の姿は、私にはとても懐かしい。協力し、互いにいたわり、支え合う。自分と自分の家族だけでなく、地域全体の幸せにも、そこに迷い込んだ私たちに対しても温かい思いやりを(そして時には厳しい愛情を)惜しみなく与えてくれる。

サラエボに住んでいたとき、お世話になった家族がいた。右も左も判らない私たちを、手取り足取り導いてくれた。日本の子どもたちから旧ユーゴの子どもたちへのプレゼントである「ゆめポッケ」を配る時も、何も言わず何も求めずに手伝ってくれた。ちゃんと食事をしているか、辛い思いをしていないか、いつも気にかけて尋ねてくれた。ちょっと肩こりが辛いと言うと、腕利きの整体師や湯治場を紹介してくれた。仕事に関しても私のやり方が間違っていると思った時は、はっきりとそう指摘してくれた。そして彼らが地域社会へと我々を紹介してくれた。

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地元の人たちの意見や要望を、
村の寄り合いで話し合う(アフガニスタン)

かくして我々は地域社会の一員となった。地域社会の一員となれば、地域社会に守ってもらえると同時に地域社会に対する義務や責任も発生する。ただ大切にするだけでなく、干渉する。それはきっと愛情あればこそなのだろう。率直に間違いを指摘し、話し合って違いを受け入れ合う。何も言われなければ何でも思い通りに出来るだろう。とことん自由で誰とも判り合わず、違いを受け入れ合わないでいたら、その先に何があるのか。

『地域全体の幸せ』は、『自分の幸せ』を願うところに端を発していて全く構わない。逆に、自分の幸せを願うからこそ地域社会全体の幸せを願う方が健全かもしれない。重要なのは『自分だけの幸せ』には限界があり、いずれ終わってしまうからこそ、地域社会全体の幸せを目指すことなのではないか。
干渉し合い、互いを受入れ、全体を上げてゆくこと。
それは、隣同士で殺し合うという悲惨な戦争を生き抜いた彼らの、『幸せに生きるための原則』なのだ。

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津波被災者の再定住地域で野菜栽培。
新しい隣人間のコミュニケーション強化(スリランカ)

『平和の国、日本』に住む私たちは、明日が来るのは当たり前だと思っている。だが世界には、この瞬間にも飢えて亡くなっている人がいる。グローバル化の現在、地球自体が大きな地域社会だとするならば、自分自身のためにも無関心ではいられない。世界の食糧支援の量より、日本で捨てられている食糧の量の方が多いと聞けばなおさら、私たちは無関心ではいられないはずだ。小さなことでも大勢の人がすれば大きなことになる。その小さな一歩をみんなで踏み出そう。

 

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