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梅雨に入って間もない日曜日の午後、細かな雨粒の降る窓に太陽の光が差してきたのに気が付いて、お茶を入れる準備の手を止めて、ふと窓の外に目をやると、お向かいのお宅の屋根の先から七色の光の条が見えました。
信じられず、目をよく凝らしてもう一度見てみると、やはりそれは虹のたもとでした。「あっ虹!」「虹が出てる!」「虹が見える!」と、夫を窓辺に連れ出して見間違いではないのを確かめるように指を差して夫に虹のある場所を知らせました。その後、カメラを手に階段を駆け上がりベランダに出ると、東京の空の上に大きな虹の橋が架かっているのが見えました。
こんなに大きくきれいに見える虹を見るのは久し振りで、うれしくてうれしくて、しばらくベランダで虹が消えてゆくのを夫と見つめていました。夫は空に大きく架かる虹を見るのは初めてだと感動を隠しきれずにいました。

空はなんて美しい感動を与えてくれるのでしょう。金色の太陽、銀色の月、ダイヤモンドの星々――、色の魔術のような朝焼け夕焼け、まだ見たことはないけれど、オーロラの光のカーテン、そして七色の虹の橋!数え上げたらキリのない空の美しい劇場。だから、いつも空を見上げずにはいられないのです。なにか素敵なものを見逃すことがないように、いつも空を見上げているわたしです。
だって、空の劇場の出し物はいつも一瞬のあいだ。いつも一瞬一瞬で形を変えてしまう。それはたとえカメラに捉えても、決して手には入れられないものだから、一層美しさを増し、一層、素敵なものになるのかもしれません。そして、その一瞬の素晴らしい瞬間をわけ合うことのできる人間が隣にいる嬉しさと不思議さを実感した梅雨の日の午後でした。
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