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ビーズに刺しゅう糸、リバティプリントのコットン生地、レース糸にボタンにスパングル……! 指先がエネルギーを出したがってムズムズしています。
春に向かって、木の枝から新しい芽が吹き出すような気分です。少しずつ買い集めた布やアンティックのビーズ、スパングルを手の平に置いて眺めては、ため息をつくこのごろです。この布にこんな柄をビーズとスパングルで刺しゅうしたら……! とか、こんな形のバッグをつくったら! とか、コットンの糸でベストを編みたい! とか、想像ばかりが積もってゆく忙しい毎日です。
何もないところに何かを創造してゆくことって、なんてドキドキすることなんでしょう。毎日、絵を描いて、白い紙の上に絵の具で頭の中の世界を具象化してゆくということはしていても、時々、とても、もの足りなくなることがあって、指先や手の平を使って、体の中に溜まっている何かを放出したくなります。子どもが粘土をこねて、やっとこさで何かを造り出すような気分で、縫い付けたり、編んだり、ほどいたりしながら、あんまり得意でもない緻密で、手間のかかる作業を、なんの得にもならないのにしたくなるのです。自分を楽しませるだけの贅沢な時間をつくるわけです。独りの時間、他人の意見を気にすることのない作品づくり、自分のエネルギーを思い切り出しつくすのです。

人は誰だって毎日をルールの上で生活しています。その中で、いかに楽しく快適に過ごしてゆくかが、あたり前のテーマです。感情をあらわにするのはルール違反だし、自分の居心地さえ悪くなるのも知っています。いくら、幸福な場所にあってもその中で置き場のない感情が、ひとつ、ふたつ、あるのが人なのではないのかしら──、と思います。
だから、春も近づいて、植物がエネルギーを出して生きようとしているのを見ると、わたしも生物としてのエネルギーに目覚めて、自分の生命力の限りを使って何かを造り出してみたいと、強く思うのかも知れません。
ビーズにスパングルに布に糸……。指先からのエネルギーで。
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