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人生、出会いのおもちゃ箱

メーカーの人たち

就職活動をしていた頃、わたしは、すっごくメーカーに行きたかった。60年代前半に生まれたわたしにとって、メーカーはあこがれだった。カラーテレビ、全自動洗濯機、電話と、夢みたいにどんどんメーカーのおかげで生活が便利になって、楽しいことが増えて行った。「作る」とか「直す」という言葉にあこがれがあった。ところが、20社近くもメーカーを受けたにもかかわらず、当時のメーカーは、女子大生にとって狭き門で、ほとんどが門前払いだった。そして、わたしは、吉本興業に就職した。
バブル時代に入って、金融や不動産がもてはやされた。そして、バブルがはじけていろんな世界で景気が悪い話やリストラの話題ばかりが先行するようになった。メーカーの同年代のメンバーと話をしていても、「うちの会社、元気ないんです」なんて話がよく出てくる。そのたびに、わたしにとってはあこがれのメーカーの人たちが、そんな話題をするのが嫌だった。わたしの中では、メーカーの人は輝いている存在であって欲しい。自信を持って歩んで欲しい。
メーカーの人を「オタクっぽい」と見ている人もいるが、わたしは、「オタク」という言葉は嫌いである。彼らはもの作りのプロフェッショナルであり、「博士」というべきだと思っている。

わたしは人生の中で、縁あって「コーチング」というスキルに出会った。人から夢や目標を導き出して応援することのできるスキルである。わたしは、今、いろんなメーカーでこのコーチングスキルの研修をさせてもらっている。大好きだったメーカーの人たちが、元気を取り戻すお手伝いを少しだけさせてもらっている。
そして、わたしも「元気をつくる」ということにこだわることによって、大好きだったメーカーの人間のひとりになった気分にならせてもらっている。実際、元気や笑いは産み出すものだと思っている。元気や笑いを作ったり、産み出したりしながら、その作り方や産み出し方をメッセージし続けたいと思っている。

もちろん、研修や講演をしていて全ての人に浸透させられるかというと、悲しいけれどそうじゃない。だけど、絶対100パーセントの人に「良かった」と言われることを目指すことだけは、忘れたくない。そう思っていたら、あるメーカーの男性に言われた。
「僕たちだって、みんなが『良い』って、言ってくれるものを作ろうといつも思っているよ」「それだけじゃない。必死で100パーセント安全なもの作りも目指してるんだよ」
絶対、メーカーの人ってカッコいい。「プロジェクトX」だけでなくて、もっと評価してあげたい!

 

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