ガラスエッチング編
10年くらい前でしょうか、私がデパートの食品売り場を歩いていると、あるケーキ屋さんの前で、「好奇心いっぱい」という目をして立っている女の子を見かけました。思わず足を止めた私。ケーキ屋さんのウインドウの向こう側では、職人さんがケーキにデコレーションをしていました。注文したケーキを待っている間、じっとその様子を見入っていた女の子。ケーキを受取った時の、女の子の喜んだ顔がとても幸せそうで、見ていた私まで嬉しくなったのを覚えています。
<誰かに喜んでもらえるような技術を身につけたい>と思うようになったのは、このことがきっかけだったように思います。家族や友人の「おいしいよ」「ありがとう」という言葉を聞くのが嬉しくて、お菓子作りの勉強をした時期もありました。でも、就職して忙しくなると、手作りのものをプレゼントするということがなかなかできません。
気持ちはあるものの、なかなか実行できないなぁと思っていたところ、親しい友人から結婚するという知らせが届きました。何か記念になるプレゼントを贈りたいと思い、ホームページを調べているうちに、「ガラスエッチング」に出合ったのです。
「ガラスエッチング」は、簡単に言えばガラスにすりガラス模様を描く作業のこと。花の模様の入ったお皿や、記念の文字の入ったワインボトルが紹介されているのを見て、「これはいい!」と思い、早速、ミニレッスンに参加しました。
「ガラスエッチング」にもいろいろな工法があるようですが、私が参加した教室は、エッチングクリームという、ガラスを腐食させる特殊なクリームを用いた工法で、とても手軽に「ガラスエッチング」を楽しめるものでした。
素材と図柄を自分で選ぶのですが、悩んだ末に、四角のフラワーベースに蔦の柄をエッチングすることにしました。通常は、図柄を専用シートに写し、模様をつける部分を図柄に沿ってデザインカッターで切り取る作業があるのですが、今回は、すでにカッティングされているシートを使い、次の段階から作業をしました。
きれいに洗ったフラワーベースの表面に、図柄の描かれたシートを貼り付けます。その上に専用のヘラで、エッチングクリームを塗っていきます。このクリームには劇薬指定の溶剤が含まれているので、取り扱いには注意が必要です。
そして、15分くらい経ってからクリームを洗い流します。作業はこれだけで、見事なすりガラス模様の入ったフラワーベースが完成しました。
「この箸置きに相手の方のイニシャルを入れて、ホームパーティーで招待した人にプレゼントするのはどうでしょう」「このフラワーベースはフローティングキャンドルの器としても使えますね」といった会話で盛り上がり、スタッフの方々の楽しい雰囲気からも、「ガラスエッチング」の楽しさがひしひしと伝わってきました。あっという間のレッスンでしたが、とても楽しい時間を過ごせました。
出来上がったすりガラス模様のフラワーベース。手作りってやっぱり愛しいものですね(笑)。<こんなに幸せな気持ちになれるのなら><誰かに喜んでもらえるのなら>という手作り魂が再び湧いてきた私は、エッチングセットと、コロンとした愛らしい箸置きを購入し、お店を後にしました。
さて、私の大切な、幸せな友人に、どんなエッチング作品を贈ろうかな。夢が広がる今日この頃です。
(スタッフ・sai)