書道編
自分を高めるために、何か一つでも身につけられたら…。
字を書くことが好きで、写経をする母を見て育ったこともあり、一念発起して書道を習うことにしました。
お祝い事や弔事の祝儀袋や不祝儀袋、季節の挨拶状やお礼状、誕生日や人生の節目の記念日など、相手の方に気持ちをお伝えしたいときに、その思いを書に込めることができたら、毎日の暮らしがとっても豊になるような気がします。
小学3年生の頃お稽古に通った以来、久しぶりの再挑戦。今回は特に「実用毛筆」体験コースを選択しました。
先生は70代前半でしょうか、小柄で優しい感じの女性。作品一つひとつに朱墨を入れながら、丁寧な指導をされていました。
「素晴らしい字ね。よく書けておいでだわ。この字は少し上にあったほうがいいわね」
指導を受けている生徒さんの作品を見ると、先生かと思うほどお上手!
場所を間違えたと思い青ざめている私に、「初めての方ね。まずはこのノートに、小筆を使って、あなたのお名前と住所を書いてくださる?」と、先生が優しく声をかけてくださいました。
夜の時間帯で、生徒さんの人数も少ないお陰であまり緊張もせず、用意していただいた筆と墨汁を使い、さっそく小筆にチャレンジです。
全くの我流で書いた字は、我ながら情けない出来栄えですが、筆のおろし方、墨の含ませ方など、丁寧に教えてくださいました。
「まぁ、この字はとてもよく書けているわ」と、朱墨で花丸を付けてくださる先生。決して上手ではないとわかっていても、そして、花丸がついているのは一字だけだったとしても、先生のお褒めの言葉は魔法のよう。いつの間にか身を乗り出して、ニコニコとお話を伺っている私でした。
気がつくと生徒さんが10人ほどに増えています。真剣に自分の課題に向かい静まり返っている教室内。いつしか私も恥ずかしさを忘れ、<先生のような優しい、きれいな字を書きたい!>という気持ちで、一心に筆を動かしていました。
しかし、丁寧に教えていただいても、見本があっても、すぐには上手になれそうにありません。<同じように書いているのに…>という疑問は、<どんなにがんばっても無理かもしれない…>という絶望に変わり、<月に3回もこの時間を過ごすことができるかしら>という弱気モードに。
けれども、生徒さん一人ひとりに対する優しい接し方や、穏やかな表情で美しい書を書かれる先生の姿に触れ、素晴らしい書を書かれる先生は、人間的にも素晴らしいお手本のように感じたのです。
時間はかかるかもしれませんが、美しい書と、相手を大切に思う心を、先生に学ばせていただこう、2時間の体験コースが終わる頃、そう決意した私です。
「よろしかったらまたいらしてね」という先生のお誘いに、「はい!」と返事をする私。
どうか、三日坊主になりませんように!!
(スタッフ・ゆめみ)