ヨガ編
ずぼらな私がこれまで試してきた健康法といえば、マッサージや鍼灸など、「人の手を借りて」気持ちよくなるものばかり。本気になって自分の体を自分で守っていかなければ、と一念発起、ヨガ教室を訪ねた。
じゅうたん敷きの20畳ほどの部屋には、和気あいあいとした雰囲気が漂う。中高年の女性が多い。<歳は一番若いぞ!>と私。この油断があとで悪夢を招くことに……。
「無理のないようにやっていきましょうね」。スレンダーで笑顔が素敵な先生は、ヨガ歴28年。62歳とは思えない肌のつや、姿勢のよさに驚いた。
個々にストレッチをした後、二人組みになる。私のパートナーは先生だ。ここで、私の体の隠された事実が明らかになる。
「目が疲れているわね。かわいそうに。肝臓が疲れている影響ね」と言いながら、先生は私の背中の右半身をやさしくほぐしていく。背中の右側が凝っているのは、肝臓が疲れている証拠、左側の場合は胃なのだそうだ。
「肝臓が悪いって言われたことないんですけど……」。突然の“宣告”にとまどった私。よくよく聞いてみると、私の体には「甘味」が多いらしい。手足がすぐ汗ばんでしまうのも、その影響だと言う。「パンをよく食べるでしょ。あれも糖分ですからね」。それなら思い当たるふしがある。仕事から帰宅してごはんが炊けるまでの間、ちいさな菓子パンを食べるのが習慣になっている。
足の指が小さいことも指摘された。「もっと歩くようにすれば、足の指がふっくらしてきますよ」と先生。車通勤による日頃の運動不足を反省。体はなんて正直なのだろう。私の行動や生活パターンがそのまま表れている。
あお向けに寝ると、今度は骨盤のずれが判明。左足のつま先は、床につきそうなくらい外側に開くのに、右足のつま先は上を向いたまま外側に開かない。右の骨盤がかたいのだそうだ。
「でも、若いからすぐ正常な状態に戻るわよ!」。そう言いながら先生は、骨盤にグイグイ手を入れもみこんでいく。「初体験なのに、いろいろ言っちゃって、おまけに痛い思いをさせてごめんなさいねぇ」。先生の笑顔が一瞬「鬼」に見えてしまった。「いたーい!」と絶叫する私の声に、参加者の皆さんが大きな声で笑う。「皆さんはキャリアが長いですからねぇ」と一蹴されてしまった。
ヨガによって、ちょっとした“暮らし”を見直すことができた。日頃、私の行動や生活パターンに柔軟に反応し、支えてくれていた“体”に感謝がなかったなぁと、つくづく実感した。
この日から夕食前の間食はやめた。お茶碗軽く一杯のごはんと野菜が入ったおみそ汁を基本に、質素な食事を心がけるようにしている。
そして、日課になったのは、体をさすりながら「ありがとうございます」と心を込めて言うことだ。弱っている箇所に手を当て、「ありがとうございます」と繰り返し言うことで、機能が喜ぶということを教えて頂いた。「ありがとう」でも、「ありがとうございました」でもなく、「ありがとうございます」と現在進行形の言葉をかけることが大事なのだそうだ。さぁ、あきっぽい私がいつまで続けられるか。
「結局は『おかげさま』の心で生きていることが一番の健康法なのよ」――教室の最後に先生が結んだ言葉が心に残る。
(スタッフ・YAM)
| ヨガ体験メモ |
| ヨガを始めるときは、合掌してあいさつする。これは単なるあいさつではなく、ヨガの一つ。両手をあわせて両肘を高くあげるのが特徴だ。気力の充実を図り、自立神経の働きを高めるそうだ。なるほど、合掌も一つの健康法なのだ、と関心する。
最初のストレッチでは、足の指を一本一本、右に十回、左に十回ずつ回していく。そして足をひっぱったり、足の指の間に手の指をはさんで刺激を与える。ひざの裏を刺激すると、利尿作用が高まるのだそうだ。参加者の一人が「足が痛いときはどうしたらいいですか?」と質問する。意外にも「お腹をほぐしてあげてね」との答え。腰が痛いときは、耳をもむと痛みがやわらぐということも教えて頂いた。
ヨガは5000年の歴史を持つ健康法。手足や頭、神経や血液など、持っている機能をフルに使って、自己開発し、本来の自分を取り戻していく。先生によれば、お釈迦さまも修行時代に、ヨガに影響を受けているのだという。
今回のヨガは本格的なものではなく、初歩的な動作にストレッチなど、無理のない動きを盛り込んだ、先生独自のプログラム。先生ご自身は、現在、ハリウッドで流行っている「パワー・ヨガ」なども習得され、教えている。 |