
アメリカに移住した友人は“きちんとした日本語を身につけてほしい”と娘さんを日本の大学に留学させた。その娘さんは電話を切る前に必ず言うのだ。「では、ごめんくださいませ」
一方、わが娘の言葉遣いに驚いたのは、中学1年のときだ。担任の男性教師からの電話に彼女が話す言葉は、「ちが〜う。そうじゃないよ〜」。
先生からクラスメートに代わったのかと思ってたずねると、“先生だ”と言う。驚いて言葉遣いをたしなめたところ、何と!
「だって先生がそれでいいって言うし、先生を呼ぶときも“呼び捨て”か“てめえ”って言えって言うんだもん」
まさか! 父母会で先生に確かめたところ、“生徒と友達になりたいので、そう呼んでもらっている”とのことである。私は驚愕と怒りで頭から火が吹きそうになりながらしっかり抗議した。
「友達になる方法は他にたくさんあるでしょう。きちんと“先生”と言わせてください。言葉が悪くなると困ります」
大学を出たばかりだという若い先生は笑いながら、
「そういえば、特に女子の言葉遣いがひどいと、他の先生からもよく言われます」
何をかいわんや。以後、私はことあるごとに言葉のチェックをしていった。2年生になって担任が代わった。中学3年になろうとしていたある日、電話に出た娘がこう言った。
「ハイ、広瀬でございます。母でございますか? 少々お待ちください」
あんぐり口をあけ、“二重人格じゃないか”と驚く私に娘は、きっぱりと、
「私が汚い言葉を使ったら、家の恥になるっ!」
2年生の担任はかなり年配で、礼儀作法や言葉にシビアだったという。その成果と私の“チェック体制”の結果が、1年経って実ったに違いない。
言葉は、親や教師がしっかり教えるべきもの。教える私たち大人が美しい言葉を話せなければ、子供には伝えることが出来ない。そういえば、アメリカの友人はとても言葉が綺麗だった−−。
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