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澤畠久枝
6歳と3歳の男の子を持つ37歳の母。夫の海外赴任に伴い、2004年4月からジュネーブへ。現在、育児の傍ら現地語であるフランス語習得のため、勉強中。

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暮らしエッセイ

ジュネーブの空から

ジュネーブでの暮らしは3年目。
言葉や文化、習慣が異なる環境にも徐々に慣れてきました。

グリュイエール・チーズ工場

ボンジュール!

スイスのチーズを代表する、グリュイエール()チーズの工場を訪れました。地名がチーズ名になっていますが、実際にグリュイエール村の周辺で作られています。この地域は、2002メートルのモレゾン山()を背景に、美しい自然に囲まれた、長閑な雰囲気の場所です。この村には車を乗り入れることは出来ないので、車を下りて徒歩で廻ります。

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丘の上のグリュエール城

この村のシンボルは鶴だそうですが、店の看板やお土産物にも、鶴が多く描かれています。これは、グリュイエールの“グリュ(Gruef)”が、フランス語で鶴を意味しているからなのだそうです。
中世に建てられたグリュイエール城は小高い丘の上にあり、スイスの名だたる古城のひとつに数えられ、見所のひとつになっています。11世紀から16世紀にかけて19人の伯爵に治められたという歴史のある城で、今は博物館になっています。代々の家具や調度品、絵画などが展示されています。

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4800リットルの大きな鍋でかき混ぜる行程

村のチーズ工場では、順路にそって製造工程を見て回ることができます。日本語のイヤホンガイドも用意されていて、説明を聞きながら回れます。案内をしてくれる音声の主は・・・、実は牛さんでした。
「どこから来たか、君は誰だか知らないけど、とにかくこんにちは!・・・この牧場で果物というと、それはチーズのこと。そうそう、私のことまだ自己紹介してなかったわね。私は牛。名前はさくらんぼ。白と黒の模様とは全然関係ないけどね。さくらんぼのなる頃に生まれたっていうので、主人がそう名づけたらしいわ・・・」という自己紹介から始まります。そして、チーズが出来ていく行程を楽しく説明してくれるのです。面白いアイディアですね。さらに受付で日本語版の説明書も貰えます。立ち寄った時はぜひ問い合わせてみてください。

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チーズが完成する過程が絵でわかりやすく説明されています

チーズづくりは、厳重な品質管理をされた最高品質の牛乳を使って作られています。
ざっと手順を紹介すると、まずは、4800リットルも入る大きな鍋に牛乳を入れ、かき混ぜながら温めます。この地方で採れた原料で作られた発酵剤を入れることで、グリュイエールの独特の味が出来るそうです。そこに酵素を加えます。この酵素は子牛の胃からとったものなのだそうです。そして鍋からプレス機に移し、16時間ほど固めます。時々ひっくり返すと「プティ・レ」という汁が出てきますが、それが「セラック」という白いチーズになります。さらに残った分は、豚の餌にするのだとか。
そこで解説のさくらんぼさんが、「私ったら豚まで育てているのよ!」と絶妙な説明。
プレスした固まりを、20時間ほど塩につけて寝かせます。この状態は、まだチーズの赤ちゃんだそうです。さらに、セラーで寝かせ、成熟させて一人前にします。5ヶ月から1年ほどおき、表面にきれいな皮ができたら、ふんわり柔らかいチーズの完成です。

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完成したチーズを5ヶ月から1年寝かせます

製造工程を実際に見たことによって、よりチーズに関心が持てました。受付で、6ヶ月、8ヶ月〜10ヶ月、1年とそれぞれ成熟させたチーズの試食もでき、味の違いを楽しめます。時間が経過するほど塩味と風味が強くなります。私はシンプルな風味の6ヶ月が気に入りました。子供たちにとっても、社会見学になり、工場へ足を運ぶ楽しさを知りましたね。

オルヴォワール

 

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