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澤畠久枝
6歳と3歳の男の子を持つ37歳の母。夫の海外赴任に伴い、2004年4月からジュネーブへ。現在、育児の傍ら現地語であるフランス語習得のため、勉強中。

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暮らしエッセイ

ジュネーブの空から

初めての長期海外生活。
ジュネーブでの暮らしは、まだ始まったばかりです。

秋の実り

ボンジュール!

ジュネーブの秋の実り、それは、ワインの原料であるブドウが代表されます。スイスのワインが、国外にあまり知られていないのは、国内での消費量が多いため、国外市場にはあまり出回らないためだとか。私たち日本人にとってワインといえば、フランスワイン、ドイツワイン、イタリアワインがまず浮かんでくるものです。しかし、スイスワインも、知る人ぞ知る、おいしいワインなのだとか。残念ながら私はお酒が飲めないので、そのおいしさを堪能することができませんが……。

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大きな瓶に入ったムーは大人気。実りの味の代表選手かな?

スイスで第3位のワイン生産量を誇るジュネーブ州には、有名なブドウ収穫祭(ワイン祭り)があります。毎年9月の第3週末に、リュッサン(Russin)という村で開催されています。
私のお目当ては、この時期だけ味わうことのできる、ムーという搾りたてのブドウジュース。日持ちはしないため、この機会を逃してはならないと、楽しみにして出かけました。そのお味はというと、かなり甘さがあって、濃厚で、おいしかったですね。当然のことながら、参加者の多くはムーがお目当てですから、お祭り直前の土曜日の朝に、大量に搾って用意されるのだそうです。

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お祭りを盛り上げてくれるのは軽快な音楽。数箇所で生演奏が聴かれました

この小さなワイン村の住人は400人。この収穫祭に訪れる人は、その125倍の5万人だそうで、ジュネーブ州の重要な行事の一つになっているとのこと。
村を挙げての一大イベントである収穫祭は、手作りの装飾に彩られて、アットホームな雰囲気でした。子供たちも楽しめるように、小規模ですが移動遊園地も設置され、手作りの子供コーナーはシンプルなイベントでしたが、結構楽しめました。
あちらこちらにテントやシートが張られ、食事やワインを楽しむためのテラスがつくられていました。そこではジュネーブ銘柄のワインが味わえ、新酒の試飲もできるとあって、楽しみに訪れる人たちも多いようです。

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tartifletteという郷土料理。大きなお鍋で、見た目もおいしそう!

他に、tartifletteという、チーズとジャガイモとベーコンを大鍋で溶かした郷土料理や、農家が生産した果物を使ったタルトなどが、ワインとともにお腹を満たしてくれます。そして、民俗音楽の演奏グループ(ヨーデル、アルペンホルン)やブラスバンドなどの軽やかな演奏が、お祭りに華を添えてくれていました。
一帯のブドウ生産農家たちが集まり、賑やかな音楽と華やかな衣装でパレードを行なっていましたが、夜には、ダンスパーティーも開かれているそうです。聞くところによると、臨時で夜中の電車の運行もあるのだとか。

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ボトルで購入できるムーと、郷土料理を囲んでの休憩タイム

日本でも、お祭りというと、各地域ごとに故事があるものですが、リュッサンのブドウ収穫祭は、1963年に、若者たちが力を合わせて、ジュネーブで初めてのブドウ収穫祭を開催したのが始まりだそうです。
もともと収穫祭というのは、連邦の断食の日に関連して生まれたお祭りのようで、この断食日とは、中世に行われていた断食や贖罪を行う日に起源があり、本来は、戦争や争いへの恐怖、病気や伝染病の蔓延、そして自然災害、将来の暗い展望に備えるとの意味合いで行われてきました。この連邦の断食日のお祝いとして、それぞれの地域社会が、地元を活性化するための諸活動の一環として始めたものだそうです。
スイス人もワインをこよなく愛し、食卓には欠かせない品です。一年のブドウ収穫は、そんな人々の感謝と喜びを表現したお祭りなのかもしれません。

オルヴォワール

 

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