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澤畠久枝
6歳と3歳の男の子を持つ37歳の母。夫の海外赴任に伴い、2004年4月からジュネーブへ。現在、育児の傍ら現地語であるフランス語習得のため、勉強中。

◆地球のどこかで
暮らしエッセイ

ジュネーブの空から

初めての長期海外生活。
ジュネーブでの暮らしは、まだ始まったばかりです。

我が家のスタートは……

ボンジュール!

ジュネーブでの2回目の冬を迎えています。初めての年とは違い、冬の寒さにも、風邪の菌にも、随分強くなり、変化するものだなぁと感じます。
ところが、どうも年度始めの1月には、子供と一緒に階段をひとつ上るための課題が、我が家には起きるようです。

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自宅前の道路。ジュネーブの冬は、時々、深い霧に包まれます。

昨年は、長男が初めて「学校に行きたくない」と言い出し、1ヶ月くらい、長男の重い足取りを見送る日々がありました。外遊びの時間の時、友達の中に入っていけないことが切なかったようなのです。友達を求める年齢になってきたのだと、長男の成長を感じた時期でもありました。
ところが今年は、友達からの嫌がらせが出てきたのです。帽子とマフラーをとられたり、足で蹴られたりという日もあり、その時はさすがに憤慨しました。フランス語でのコミュニケーションが十分ではない私たちにとっては、子供のちょっとした出来事も大事になります。今回は担任の先生に伝え、よく注意して見てもらったおかげで、落ち着きを取り戻すことができました。またこの事で、長男も「嫌だ。やめて」と、強く意思表示ができるようになったのです。

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ジュネーブでは、貴重な室内遊びの会場。

こちらでは、いじめる子よりも、いじめられる子に問題があるという考えが一般的なので、意思表示をしていくことは、自分を守ることでもあります。またスイスは、離婚率が非常に高いと言われていて、複雑な家庭の事情は、子供たちにも少なからず影響を与えていると思うのです。そのような背景も気にとめながら、日々の長男との会話の中で、相手の見方などを話し合うように心がけました。
様子を見ていると、今回のいたずらは悪質なものというよりは、むしろ、長男と遊びたいという悪ふざけにも思え、長男に「一緒に遊びたいんじゃないの?」と、話してみました。ある日、「今日、Jと遊んだよ。楽しかった」とか、「今日は、Eと遊んでみるよ」と言い、毛嫌いし始めていた友達にも、自分から飛び込んでいく長男の頼もしさが見られ、嬉しく思いました。最近は、仲良く遊ぶ友達に戻っているようです。
そんなハプニングの中でも、仲の良いクラスメイトが、何度となく助けてくれていたようです。子供の世界、純粋な子供たちの心、心配や思いやりを、行動として表せる年齢になってきたこと。新鮮な気づきを教えてもらえました。

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次男の通う幼稚園の先生が書いてくれる手紙。はじめは「m」が「w」に、「r」が「s」にみえて、解読に時間がかかりました。私の宿題でもあり、心温まる宝ものでもあります

一方で次男は、入園時は慣れるまで1ヶ月間もかかり、ようやく泣かずに通園出来るようになったのですが、冬休み明けに再び“大暴れ泣き”が始まりました。入園時は次男の性格もあり《予想していたこと》と、ありのままを受け入れられましたが、今回はガッカリ……。しかし園の配慮で、週2回の通園を特別に4回に増やして、慣れるまで様子を見ていきましょう、と柔軟な受け入れをしてくださっています。
次男は、家では大変なおしゃべり君です。園では先生の話も分らない、自分も話せないという不安があるのでしょう。最近ようやく、泣かずに行けるようになりました。
ここでも、大きな助けがあります。それは責任者の先生が、フランス語が話せない私のために、入園時からずっと、次男の様子や今後のことなどをメモに書いてくださっています。例外に対する対応については、あっさり「ノン」と返ってくるのが普通とされるなかで、こんなに親切な先生は珍しい貴重な存在と言えます。その先生の心遣いのおかげさまで、私も毎日安心して、子供を幼稚園に送り出すことができるのです。

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長男、初挑戦のスキー。そして、やっぱり、まずはソリ乗りで楽しみます。

今回の子供たちとの出来事をとおして、改めて感じたことがありました。ジュネーブでの暮らしの中で、多くの人に支えてもらって、私たち家族の生活が成り立っているのだな〜と。
そして主人をはじめ、二人の子供たちも、社会に出ていって頑張っているのだから、帰ってきた家は、ホッと出来る場所であるようにしたい。その環境をつくるのは私の仕事だ……と。

オルヴォワール

 

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