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◆地球のどこかで 暮らしエッセイ
さまざまな国での暮らしを経験。 支援活動に奔走する毎日を送る武田さんです。
空腹の日々
ダウンタウンでは、アラビアの真の姿を覗くことができる
空港を一歩出ると、突き刺すような陽射しと、「からっから」に乾いた爽やかな風に迎えられた。一言でいうと、「色のない国」。緑がほとんどなく、家の壁もベージュ一色。<私もこの国でベールをかぶって、おとなしく暮らしていかないといけないのかな>と、ちょっと重い気分を抱えながら街に入った。しかし、そこにはイメージを一掃するような雰囲気が広がっていた。ショッピングセンターにはカラフルでモダンな服が並び、食品売場には輸入品も充実。醤油はもちろん、のりやわさびまで揃っている。街を行き交う女性たちは自由な服装を楽しみ、とても開放的だった。一気に私の不安が一掃される。 国民の多くがムスリムで占められる国。ダウンタウンに行けばほとんどが男性で、時に女性を見かけても頭からベールをかけている。街にはコーランが響き、日本とは違った雰囲気が漂っていた。
アンマンの街の様子。丘に囲まれ、壁に張り付くように家々が立ち並ぶ
そんな中、イスラームの五行の一つラマダン(断食月)が始まった。これは神の教えに忠実である事を示すと同時に、充分に食べることが出来ない人々の苦しみを知り、いたわる気持ちを持つという意味があるらしい。ラマダン期間中は、日の出から日の入りまで、一切のものを口にしない。それまでにぎやかだった街は一転し、レストランは閉まり、酒屋は息をひそめてしまった。ヨルダンは特に厳しく、外国人だろうと日中は人前での飲食が許されない。買物に出ても、アラビアの軽食であるシュワルマ(薄いパンに羊や鶏肉を巻いて食べる)や、ミントが入ったレモンジュースで一息つく楽しみがなくなった。仕事の時間も短くなり、午後には皆家路につく。日が沈むと、水を得た魚のようにエネルギーに溢れた若者達が騒ぎ出し、一気に街が活気付く。長い夜が始まった。
アラビアのファーストフード、シュワルマ。回転式のオーブンでじっくりと焼かれたお肉をパンにはさんで食べる。そのジューシーさは格別!
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