●“縁むすび守”のご利益は?
翌朝、部屋の窓を開けるなり、「日ごろの行ないがいいのね」と声を揃える母と私。さっそくお天気になった北鎌倉の建長寺へ。仏殿の前庭には樹齢750年という古木が7本植えられていて、その見上げるほどの大きさと迫力に圧倒される。ろうそくを灯し、二人並んで仏殿に祈りを捧げた。オゾンの恵みと、厳かな空気に包まれて、心清らかに気分爽快!
ちょっと早めの昼食は、とろとろお肉のビーフシチュー。あまりの美味しさにとろけてしまった母と私。その後、通りかかったリフレクソロジーの店で、15分の体験コースに寄り道。行き当たりばったりな感じがなんとも心地いい。
リラックスモード全開で、鶴岡八幡宮へ向かう。境内には<今日は平日じゃなかったっけ?>と思わんばかりの大勢の観光客。残念ながら下拝殿(舞殿)は工事中。宮内の旗上弁財天社をお参りした。なんでも、社殿の後ろには一対の祈願石があり、縁結びのご利益があるらしい。そんな話を聞いたらお賽銭をはずまないわけにはいかない。<もしかして、お母さんも祈願してる?>と内心思いながら、しっかりと手を合わせ入念に祈願し、お守りをゲット。あとはご利益を待つばかり!?
●とことん歩いて大満足!
最後に立ち寄ったのは神奈川県立近代美術館。メディア・アートの先駆者と呼ばれる芸術家の作品が展示されていた。金網を使った立体的な彫刻やキャンバスからはみ出しそうなほどの迫力で描かれた作品など、どれもこれも目が釘付けになった。とても50年ほど前の作品とは思えない斬新さだ。
鎌倉駅に向かう賑やかな小町通り沿いには様々な店が並んでいて、原宿の竹下通りのような雰囲気。雑貨屋・文芸品店など、見ているだけで楽しくなる。私たちもソフトクリームや肉まん片手に散策開始。食べ歩きってかなり気分がいい!
陶器好きの母は陶器専門店を見つけては、しらみつぶしに覗いてお茶碗などを吟味している。私も一緒に見てはみるものの、陶器に全く興味がないのでかなり退屈だ。「また〜?」と愚痴をこぼしつつも、旅に付き合ってくれたお礼のつもりで、とことん付き合うことにした。結局お土産程度しか買わなかったが、久しぶりのウィンドウショッピングに母も私も大満足だった。
●これからも元気でいてね
一泊の旅はあっという間。「楽しかったね!」と語り合いながら、余韻に浸る帰りの車中では、心地よい疲労感が体を包んでいた。ほどなく眠ってしまう母。
旅の重要なテーマだったはずの“落ち着いて語り合えるチャンス”は残念ながら一度もなかったけど、くだらない冗談を言い合いながら、マイペースで過ごした2日間は、母と娘というお互い気を遣わない関係だからこそできる、リラックスした旅だった。
友達と行く旅行も楽しいが、母娘旅行もまた違った良さがある。日頃話せない悩み事は……またの機会にしよう。チャンスはまだいくらでもある。年に一度ぐらいのペースで母娘旅を続けようと心に決めた。<これからも元気で長生きしてよ!>と、隣で眠っている母を見ながら思った。
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