美しく生きるエッセイ
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美しく生きる〜和を楽しむ13章〜

一期一会

桜の花の咲く季節になりました。
明るい春の陽をいっぱいに浴びて、百花繚乱のこの華やかな時に、このシリーズを終えることになりました。
1年余りのあいだでしたが、毎回アクセスして下さった方はもちろん、一度だけホームページを開いて下さった方も、本当にありがとうございました。生きている限り、出会いがあれば、必ず“別れ”があります。
その繰り返しが、人生だとも言えます。
私たちは、瞬間瞬間、ことあるごとに選択をして生きています。
何を食べようか、何を着ようか、どこに行こうか……等々……。
全て一期一会であり、一期一会の世界を生きているわけです。
ところで、一期一会とはどういう意味でしょうか。
たとえば、人との出会いを一期一会と考えてみましょう。
もし、この人と会うのは一生に一度だけという意味で一期一会を受けとめると、会っているあいだ思いっきり心をつくして、精一杯のことができます。
ところが、明日もあさっても会えると思えば、毎回、心などつくしてなんかいられないわ、と、人間はなるはずです。

じつは、“一期一会”の本当の意味はそうではありません。
同じ人と、何百回何千回、あいまみえようとも、あたかも一生に一度の出会いのごとく心をつくせよという、非常に厳しく、究極の心を要求してさえいる言葉なのです。“修行”にも近い言葉です。
たとえ同じメンバーと何回会おうとも、会ったその「今」という時は二度と戻りません。「今」に心をつくし、充実して会い、別れるしかありません。
その積み重ねが人と人との関係を豊かにし、一期一会を大切にする気持ちが“やさしさ”になります。
「今」に打ち込むような、厳しさに裏打ちされた“やさしさ”でなければ、人間関係はもろくくずれるだけです。
とはいえ、過ぎたことはもどりません。
しかし、今からでも遅くはありません。
これからの人生で、あなたが出会う人に“一期一会”の心で接してみて下さい。どんな人も、必ず変わってきますよ。良い方にね……。
人だけではありません。物に対しても、あるいは目に見えないものにも、一期一会の心で接してみて下さい。いろいろなことに、まず“感謝”の心が芽生えます。
わたくしは、このシリーズ“美しく生きる”を通して、本当に心からの感謝を感じています。実際にはお目にかかれませんでしたが、目に見えない糸で結ばれたみなさまに向け毎回“一期一会”の心でエッセーを書きつづらせていただきました。
最後に、みなさま、本当にありがとうございました。
桜の花のように、精一杯、花咲かせましょうね。
今日も“美しく生きる”、精一杯“今”を生きる、“自分”を生きる、わたくしはそうした姿が一番美しいと思います。
これからも、美しい花を咲かせましょう。
では、またいつか、お目にかかれる時まで……。
ごきげんよう……。

うらうらと照れる光にけぶりあひて
咲きしづもれる山ざくら花        牧水

和遊主宰・正冨るり子

 

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