美しく生きるエッセイ
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美しく生きる〜和を楽しむ13章〜

迎え火、送り火

梅雨も明け、今からは、花火大会など夏の行事がいっぱいですね。
でも、一番大切な行事は、お盆ではないでしょうか。地方では、八月に入ってからの所が多いですね。
現代は核家族化のため、仏壇のある家も少なくなっているかもしれません。しかし、せめて一年に一度のお盆の時くらいは、自分の先祖への感謝をこめて、迎え火で霊をお迎えしたいものです。
仏教では盂蘭盆会≠ニいいます。これは、餓鬼道に堕ちて苦しむ者や地獄に堕ちた者の苦しみを除くために修するものだそうです。
仏典によれば、釈尊の高弟の一人・目連尊者が亡き母が地獄に堕ちていることを知り、釈尊に救済の方法をたずねたところ、釈尊が、「世間のあらゆる甘美を盆におき、百味の飲食をもって十方の大徳衆僧に供養せよ」と。目蓮がこの訓えにしたがったところ、その日一日のみ母の苦を除き得たということです。
これが盆の行事の始まりだそうです。
母の苦を除けた目連が、喜びの余り踊りまわったのが盆踊りの最初とも言われています。子孫の真心をもって祖先を迎え、供養することは、何よりも、私たちが生きとし生ける万物を大切にすることにも通じることです。

また、いろいろ問題はあるにしても、日本は、まだまだ本当に幸せな国だと思います。
知足=B足るを知るということを、このお盆を通して学びたいものです。
私たちの先祖たちが、一粒の米、一滴の水を大切にして、この日本の地に守り抜いてくれたからこそ、こうして、私たちが生かされていることに感謝しましょう。その気持を、先祖の墓や仏壇にお参りするわけです。
心をこめて、お墓をきれいに掃き清め、花を生け、香をたいて合掌する姿は、きっと子供たちの目にもすがすがしく映ると思います。
お墓や仏壇が遠方にある人も、その日だけはそっとろうそくの火を灯し、香をたいて、しばし手を合わせてみようではありませんか。そんな、何でもない小さなひとつの行為が、人としての、大きな道へつながってゆくことのように思えて仕方ありません。
そして、送り火や燈籠流しで、先祖をお送りします。
目に見えない魂や精霊を信じる信じないという低次元の話ではありません。
この世には、目に見えるものと見えないものがあります。
見えないから存在しないのではなく、見えないからこそ、大切にするのです。そして、見えないものほど、大切なものが多いと思います。
そういうことを、お盆を通して先祖が教えてくれているのかもしれませんね。

そして、この時くらいは、日本人の心を取り戻して、ゆかたを着てみませんか。
今年もゆかたは大ブームで、若者たちにもカラフルなゆかたが大モテのようですが、せっかくですから洋服らしいものでなく、日本の伝統の藍染めのゆかたがやっぱりオシャレのような気がします。シックで格調高い藍染めは、かえって目立つかも……ネ。
日本の女性は、やっぱりキモノ姿が一番きれいです。
この夏、ゆかたからなじんで、ぜひ秋や冬にも着物に挑戦してみませんか。とても心やさしくなれますよ。そして周りの人の心までいやす不思議な力を、きもの姿はもっているのです。

美しく生きる秘訣のひとつは、日々に感謝して、それを表現してみることです。お盆は、本当にそのいいチャンスです。あなたの美しいかわいいゆかた姿が、目に浮かびますよ。ゆかた姿で、先祖の魂をお迎えし、また送って下さい。

新盆の 送り火さびし 盆の宵秋甫

和遊主宰・正冨るり子

 

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