美しく生きるエッセイ
◆春のおとずれ(桃の節句でおもてなし)
◆桜を思う
◆夢を紡ぐ
◆内に秘めた美しさ
◆星に願いを……
◆迎え火、送り火
◆菊の香り
◆名残り月
◆残照
◆時を紡いで
◆お愛(め)でとう 新しい年よ!
◆忙中閑
◆一期一会

茶道ちょっと知識

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美しく生きる〜和を楽しむ13章〜

内に秘めた美しさ

惜しみながら花の春も過ぎ、清々しい初夏をむかえました。青楓(かえで)が、さわやかな風にゆれている姿は、本当に、心洗われます。
3月3日のひなの節句に5月5日の端午の節句など、五節句は日本人の生活にすっかり溶けこんでいますが、本当にそれをきちんと守っている家がどれだけあるでしょう。
おひな様やかぶとを飾るだけでは、日本人の感性や心を、子供たちに伝えることはできません。元来、中国のしきたりに由来する五節句は、日本人の生活と自然が結びついて生まれたものです。ぜひ、これを機会に一つ一つをよく調べてみませんか。何気なく見過ごしてきたものが、「ああ、なるほど!」ときちんと意味のあることに気づいて楽しくなりますよ。
ひなの節句の時は、女の子のしつけをする良いチャンスですと提案しましたね。5月5日は、男の子の節句です。やはり、男は男としての役割、そして責任感と勇気をもてる人格に育てたいものです。これは、男女差別でも何でもありません。男性と女性は、性が異なるように、人間としても社会の中においても、異なる役割があるのが当然です。
色々な意味で、現在、けじめの無さが問題になっていますね。五節句を生活の中に取り入れることで、生活にメリハリをつけ、さらに節句をとおして文化を身につける。それは日本人が本来もつ精神を身につけ直すことにつながります。そこから、けじめを学べるのです。凛とした美しさを身につけて初めて、国際社会へもきぜんとした態度で臨めるのではないでしょうか。

日本にいて、日本のことを知らない日本人。もっともっと、日本の文化に興味をもって下さい。それも、まず、身近な生活の中にある文化から……。そこから、日本人としての誇りと自覚が生まれ、子供たちにも、伝えてゆける自信ができます。
しょうぶの美しい季節ですが、ただ、花を見るだけでなく、そこに何か物語を探してみて下さい。先人たちの歌(短歌や俳句)にふれるだけでも、日本人としての感性は養われてゆきます。豊かな感性は、人を内面からますます美しくしてくれます。
内なるところに深く澄んだ湖をたたえている人は、はかりしれない美しさと、周りの人を和ませる、不思議な力をもっています。
内に秘めた美しさは消えませんし、だれも消すことはできません。
すばらしい日本の文化にふれることで、あなたはきっと秘めた美しさをもてることでしょう。

和遊主宰・正冨るり子

 

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