パラグライダー編
台風一過、快晴の下、私は海抜800メートルの山麓に立っていた。幼少の頃からの夢であった“空を飛ぶ”ことに、いよいよチャレンジするのである。私の胸は期待と不安で膨らんでいた。送迎車に乗せてもらい、山の中腹へ向かう。車中ではスクールの先生が「きっとはまるよ〜」と声をかけて下さった。「そ、そうですか〜。私でも大丈夫でしょうか」「大丈夫、大丈夫。まぁ、風次第だけどね」そんな会話を交わしながら、いざ練習地へ。
先生の指導のもと一つの機体をみんなで広げて準備をし、その周りに初心者が集められた。今回の体験コースには12名が参加。驚いたのは、還暦を迎えた記念にと、ご夫婦で参加された方がいたこと。ニコニコと落ち着いた様子で準備をされている姿を尊敬の眼差しで見つめ、腰が引けている自分を反省。
最初に器材のさまざまな名称を教えてもらい、次はその取り扱い方のレクチャー。簡単な動作なのに、専門用語に戸惑う。この時点で完全に自信喪失。そのまま練習に突入した。機体を平地に広げ、その機体を操るロープを順序通りに両手で握る。風を読みながら適当なところで先生が合図してくれる。「走って!」。あとは教えられた姿勢のままに走る、走る、走る。先生の声は続く。「はい、両手を上げて、離して!」。
風を受けて、舞い上がる機体は思った以上に重く、ただひたすらに体力勝負のスポーツであることを悟る。完璧に風を捕らえると機体が真っ直ぐに上がり、身体がふわりと浮きそうになる。<た、楽しい…>。
スクールのお約束で長袖長ズボンという格好。体を守るクッションやヘルメットを身につけ、真夏の日差しを全身に浴びながら走る私は、あっという間に全身汗だくになった。全身を包み込むのは汗…いや、爽快感! 山肌に湧き出ている水を飲みながら、その単純な動作を2時間ほど続けた。
練習地の外の木陰で小1時間ほどのお昼休憩。午後は同じ練習を数回繰り返し、いざ10メートルほどの坂の上から飛ぶこととなった!! その頃には不安は小さくなり、期待ばかりが膨らんでいる。坂の上から下を覗き込むと少し恐ろしくもあったが、上空で上級者のお兄さんお姉さんたちが優雅に旋回している様子に胸が躍る。<やっぱり機体は白地にオレンジがいいな>。心はすでに上級者気分の私。いよいよ自分の番になり、準備を始めた頃からなんと、風がピタリと止まってしまった。先生から「いい風がくるまでちょっときゅうけ〜い」……1時間半ほど待った末、今回は中止になった。
残念だったけど、大満足だった。再チャレンジを心に誓った私のスッキリ体験「パラグライダー」。みなさまにも声を大にしてオススメしちゃいます。高いところが苦手でなければ。
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