
<地球サミット(1992年)に青年の声を届けよう!>という想いから設立された国際環境NGO団体A SEED JAPAN(以下A SEED)。青年一人ひとりが、自分たちにできることで社会に環境問題を訴えていこうと、さまざまな活動に取り組んでいます。その取り組みの一つ、「ごみゼロナビゲーション」。様々なイベントやフェスティバルで生じたごみの分別をナビゲートすることによって、来場者自らが環境問題に取り組み、環境への意識を高めてもらうことを願いとして活動しています。
地球温暖化防止を訴えるコンサート“LIVE EARTH”での取り組みに参加しました。
国際環境NGO団体A SEED JAPAN
●さまざまに再生されるごみ
説明会で感じた楽しみを胸に、当日会場である幕張メッセに9時に集合した。これから22時までの長丁場である。
ボランティア用のTシャツを受け取り、一緒に「ごみゼロナビゲーション」に取り組む班のメンバーとの顔合わせをする。全員が初対面だ。メンバー6人は、20代から40代と年齢層も様々だ。何となくぎこちないものを感じながら会場の下見をした。
コンサートが行われる会場に2ヶ所と、エコ関連のブースが並ぶ来場者用の飲食エリアに2ヶ所の「ごみステーション」が設置されていた。ここにごみを捨てに来た来場者に対して、私たちボランティアがごみの9分別をナビゲートするのだ。
今回のイベントは、地球温暖化防止を訴えることが目的。当然、当日の飲食エリアで使われている食器類もすべてリサイクルできるもの。それが紙食器とバイオマスプラスチックカップだ。紙食器は、葦やサトウキビといった非木材材料を利用したもの。バイオマスプラスチックカップとは、地球温暖化をもたらさない植物原料(とうもろこしやじゃがいも)から作られている。
さらに、ペットボトルのキャップも再利用される。集められたキャップは、A SEEDを通して400個10円でリサイクル業者に売られ、建築資材として再利用される。その収益金は、途上国へワクチンを送るために使われるのだ。
ぜひ、ごみを捨てに来た人たちに、これらのリサイクルの意味や大切さをお伝えしたいと思った。
●ごみ分別ナビゲートの役割
私たちボランティアの使命は、来場者にごみ分別の大切さを意識して、実践してもらうこと。活動を始める前に、班のみんなでどうすればそれを伝えられるか話し合ったのだが、20代のイマドキの男の子の発言に感動した。
「このままの地球環境では、自分たちの子どもにキレイな桜を見せてあげることができない。僕は、子どもにキレイな桜を見せたいんだよね。だから、地球をキレイにするんだよ」
私たちにできることは、小さなことかもしれない。でもここに集まった1万人近くの人が、ごみ分別を実践して、また一人でも多くの人に伝えていけば、大きな力になる。まずは目の前の一人ひとりに、分別したごみがどのようにリサイクルされるのか、リサイクル食器は何でできているのかをお伝えしようと、目的を確認し合った。
実際にイベントが始まり、昼時を過ぎると、ごみを持ったたくさんの来場者が次々と押し寄せた。
「このバイオマスプラスチックカップは、とうもろこしやじゃがいもが原料になっているんですよ」
「ペットボトルは、キャップとラベルをはずして、それぞれ分別して捨ててください」
来場者一人ひとりにナビゲートしていくのは、なかなか大変なことだった。ときには、大勢の人が押し寄せて、なかなか説明が行き渡らないでいると、ペットボトルを分別しないでそのままゴミ箱に投げ入れる人もいた。
そういうときは、その人を引きとめ、ゴミ箱からペットボトルを取り出し、説明をした上で再度分別して捨ててもらうようにする。きちんと説明をすると、みなさん嫌がらずに、分別してくれた。
私の中でボランティアのイメージが「誰かのためにしてあげること」というものだったが、それが実は傲慢な考えだったと気づかされた。「ボランティアと来場者は対等である」と事前説明会で教えられたことが、よく理解できた。自分で出したごみは自分でリサイクルできるように、ナビゲートする。立場に上も下もない。気づいた人が手をとって誘導してあげればいい。そうすることで、リサイクルに対しての意識が多くの人に芽生えるのだと実感した。
●リサイクル、そしてリデュース
10時の開場から、21時の終演まで、1日に集まったごみの中でも最も多いと感じたのが、ペットボトルだった。いかに、私たちが気軽にペットボトルを購入しているかがわかる。
実は、今回のボランティアの持ち物の一つに、水筒があった。当日、A SEEDのスタッフが麦茶とポカリスエットを用意してくれていて、それを各自水筒に入れて、休憩中などに飲む。皆が手軽な水筒を持参し分け合えば、それだけでもごみを減らすことができるのだ。
今回、この「ごみゼロナビゲーション」に参加して思ったことは、「どうすればごみを減らせるのか(リデュース)を考える」ことの大切さだ。分別することは、当たり前のようにこれからやっていかなければならない。しかし、分別する以前にごみを減らすことを考えなければ、ごみの量は減っていかないのだ。私もこれからは手軽な水筒を購入して、なるべくペットボトルを買わないように努力していきたいと思う。
同じ日本、地球に住む仲間同士、互いに地球の環境のことを呼びかけあい、ごみの分別をはじめとするエコ活動に取り組むことが、自然環境はもとより、人と人との心の交流にもつながるのではないかと思う。
まさに、一人ひとりが“ピースキーパー”としての自覚を持つことが、これからの地球の未来を担う私たち青年の大切な役目の一つだと実感した1日だった。
(スタッフ・ソンミ)
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