
新潟県十日町市池谷・入山地区。棚田が点在し、ブナ林が美しい山間のこの村は、新潟中越地震の被害を受け、6世帯のみが残る高齢化・過疎化が深刻な地域です。その村が、震災復興支援での出会いを通して、地域住人主体の「十日町市地域おこし実行委員会」を結成し、あらたな取り組みにチャレンジしています。その池谷・入山地区にFOO.スタッフが農作業や除雪ボランティアで訪れて地域おこしの取り組みと関わりながら、何ができるかを考えます。
十日町地域おこし実行委員会 ブログ
JEN公式ブログ 新潟支援情報
●震災復興から地域おこしへ
2004年10月に発生した新潟中越地震によって、大きな被害を受けた十日町池谷・入山地区。高齢化が進むこの地域の人々にとって、震災は大きな負担となったが、特定非営利活動法人ジェン(JEN)が震災直後から駆けつけ、住民と一丸となって暮らしを支える支援を進めてきた。徐々に道路や棚田の修繕も進み、住民たちは、ようやく穏やかな生活を取り戻そうとしている。
現在も継続して実施している農作業や除雪ボランティアに参加した人たちは、2006年までに延べ200人を超えた。全国各地から、さまざまな個人や企業が参加し、倒木の伐採、農道の修繕、ビニールハウスの設置や田植え、草刈り、野菜や米の収穫、そして冬の除雪など、年間を通じサポートを行なってきた。
震災の翌年に立ち上げられた「十日町地域おこし実行委員会」と、JENが連携しながら進めてきた復興活動も、震災から2年が経過した現在、その活動の中心は、震災復興から地域おこしへと進化している。
●ボランティアの目線で感じた池谷・入山
昨年の2006年7月、農作業ボランティアとして初めて池谷・入山地区を訪れた私は、<何か手助けができたらいいな>、そんな思いで訪れたはずだったが、山里で迎えてくれたのは、穏やかな時間と美味しい空気、新鮮な食材と田舎料理、そして明るく元気な地元の人たちだった。参加した人たちは皆、積極的に行動する意識の高い人たちだったし、自然の豊かさを体いっぱいに感じながら、充実した時間を過ごすことができたと思う。手助けするつもりだったのに何故か自分自身がどっぷりと癒されてしまった。その“与えられたもの”の大きさを、多くのボランティアが感じたのではないだろうか。
個人的な充実感とは裏腹に、初めて持った草刈り機をいくらがんばって使ったところで、たいした仕事はできず、役に立てたという実感は薄かった。帰路に着いてからも、<池谷・入山地区はこれからどうなっていくんだろう。私たちにできることって、どんなことなんだろう>、そんな思いが心の隅に残った。
●宝を守るために
2006年11月、池谷・入山地区で「宝探し&収穫祭」が盛大に行なわれたという。宝探しとは、池谷・入山地区のよさを再確認し、それらをどう活用していくかを、地元の人たちと参加したボランティアたちが一緒に考えていくものだ。
4ヘクタールのブナ林、自然が育んでくれる湧き水、その水でつくった農作物、さまざまな山の幸、村に伝わる民謡・民話、天然記念物の桜、星空等々、多くの宝物が挙げられたという。そして、各地から参加した人たちからは「何よりの宝は地元の人たちです」という声が。まさにそうだ。ずっと棚田を守り続け、震災を乗り越え、自然と共存しながら長く池谷に暮らしている6世帯の人たちこそが、いちばんの宝だ、と私も思う。
一方東京でも、2006年末から池谷・入山を考える集会が始まっている。これまでボランティアに参加した人たちがJENの呼びかけを受けて自発的に集まり、今後の展望や提案など、意見を交わしながら交流を継続しているのだ。
私が参加したのは夏のほんの数日間だけだったが、年間を通して多くの人がこの地を訪れ、“宝”を実感し、どうすればいいかを真剣に考えていることをあらためて知り、とても心強く感じた。地元住民はもとより、JEN、そしてこれまでふれあってきたボランティアたちが、真剣に池谷・入山地区の活性化を考えようとしている。
●記録的に雪の少ない冬
2007年1月中旬、除雪ボランティア「スノーバスターズ」で、私は再び池谷に行くチャンスを得た。
<どんな出会いやふれあいがあるのだろう><今度はもう少しマシなお手伝いができたらいいなぁ>……そんな期待と不安を胸に十日町へ向かった。
例年なら、池谷・入山地区は3メートル以上の積雪があっても当たり前の時期だが、今年は記録的な小雪で、地元の人たちも「こんなに雪が少ないのは生まれて初めてだよ」と声を揃えるほどの暖冬となっていた。
そんななか参加した除雪ボランティア、雪が少ない場合は中止するという判断もあったが、地域おこしの一環として、除雪以外の企画も盛り込みながら実施されることになった。今冬初の試みとして、池谷の民家にホームステイさせてもらうことにもなっている。
参加したのは6名。横浜や埼玉、それに宝塚や神戸からも参加していた。農作業ボランティアに参加したリピーターの20代女性とその友人、雑誌で知って申し込んだという初参加の30代ペア、そしてボランティア経験豊富な50代男性、そして私。男性は津倉さん宅に、女性は橋場さん宅に、それぞれ二泊三日の間お世話になる。
(スタッフ・まー)
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