テレビ番組で紹介された「アフリカへ毛布をおくる運動」。それは、寒さに耐えるアフリカの人たちに毛布をおくり届けるというもの。20年以上続けられているというこの活動に興味を持ったスタッフが、実際に参加し、“何かできること”にチャレンジします。
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●みんなで協力すれば実現できる
クリーニングされ、きれいになった毛布を持って、ボランティアの人たちが収集活動をしているという公園に出かけた。
公園内には、『アフリカへ毛布をおくる運動』と書かれたのぼりが立ち、ポスターが貼られていた。受付場所のテント内では、友人を含めたボランティアの人たちが収集作業を行なっていて、テーブルの上には既に何枚もの毛布が積まれていた。
「テレビを見て、毛布を持ってきたよ」
友人の話では、私と同じように番組を見て持ってきた人も多いという。さっそく行動に移した人がいることをうれしく思った。
受付のテーブルの上には募金箱が置かれていた。一枚の毛布をアフリカへおくるための輸送費として、一枚につき900円の協力を求めるものだった。一瞬ドキッとした。正直、輸送費のことは頭になかった。
考えてみれば、たとえ一枚だってタダでは送れない。収集した毛布を保管する倉庫の費用や現地までの輸送費、さらに支援先の選定や現地での調査や準備、確実に手渡すために随行するスタッフ……。あらゆることに経費がかかるのだ。
私自身が、毛布を持って直接アフリカに行くには、膨大なお金や時間が必要だけれど、900円という輸送費を、一枚の毛布と一緒に提供すれば、私の毛布は確実にアフリカへ届けられる。一人ではできないことでも、みんなで協力すれば実現可能になってしまう。私はその事実に感動しながら、気持ちばかりの金額を募金箱に入れさせていただいた。
●毛布と一緒におくり届けるもの
テントの隅で裁縫をしている人たちがいた。メッセージの書かれた布を毛布に縫い付けているのだと言う。
「ただ毛布を送るだけじゃないんだよ。この一枚の毛布で、アフリカの人が少しでも幸せになってほしい、温かい暮らしをしてほしいという願いやまごころも、一緒におくらせてもらうんだよ」
友人の言葉を聞きながら毛布を手に取ってみると、「Love and Peace(愛と平和)」という、英語のメッセージの書かれた布が丁寧に縫い付けられていた。そのメッセージの言葉を見ながら、なんだか胸が熱くなって、豊かな気持ちになれた。そして、この「アフリカへ毛布をおくる運動」の活動の意味が、少しだけわかったような気がした。
《この毛布を受け取る人はどんな人なんだろう。少しでも寒さから身を守ってほしい》という、番組やサイトの情報を通して感じた私の素直な思いを込めて、布に「Thinking
of you(あなたのことを思っています)」とメッセージを書いて自分の毛布に縫い付けた。
●同じ地球に住んでいる家族だからこそ
この収集作業には、友人をはじめ、私と同世代の若い人たちが大勢ボランティアで参加していた。毛布の受付、メッセージの縫いつけ、チラシ配り……。自分の時間を割いて、一生懸命に働いている人たちの姿は、なんだかキラキラ輝いているように見えた。
メッセージの縫い付けを一緒に手伝ってほしいと頼まれたときは、ちょっぴりうれしかった。他の人から見たら、自分もみんなのように少しは輝いて見えるだろうか。
「毛布の配布があると聞いて、何日もかけて配布場所まで歩いてくるんだよね。中には、対象外の地域の人まで、“もしかしたら”と期待して来るんだけど、リスト外の人たちの毛布は、渡したくてもないんだよね。必死に毛布の必要性を訴えているその姿に、一枚の毛布の重みを痛感したんだ。まだまだ、毛布は足りない。この活動は終わりにできない、って思ったよ」
3年前に、実際にアフリカを訪れ、現地の人に毛布を手渡してきたその人の、作業の手を止めずに話す言葉には重みがあった。
いままで私は、世界のさまざまな悲惨な出来事を知っても、「かわいそうな人たち」で済ませていた。友人のボランティアをしている姿も、「好きでやっているんだから」と、他人事として見ていた。
けれども、実際に「アフリカに毛布をおくる運動」に参加したことで、アフリカの現状を身近に感じることができて、自分自身の気持ちに変化を感じた。
そして、「We are one family(私たちは家族です)」と書かれたメッセージを見たとき、これは別の世界の出来事ではなく、同じ地球に住む家族として、手を差し伸べ助け合うという、あたりまえの活動なんだ、と強く感じた。
世界の現状を変えるなんて一人の人間にはできないけれど、でも、一人ひとりの力が積み重なっていけば、必ず大きな力になる。その中の一人として、私にもできることがあるんだ。そんなことを、教えてもらった気がする。
今年の毛布の収集は6月7日で終了した。また来年、一年間かけて集めた毛布を収集し、アフリカにおくるという。私も、来年の収集活動に向けて、アフリカの現状を勉強しながら、少しずつ、身近な友人に伝えていこうと思う。
世界中に幸せの輪が広がることを願って……。
(スタッフ・ソンミ)
*ここに掲載されている写真は、すべて「アフリカに毛布を おくる運動」から提供いただいたものです。
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