
新潟中越地震のボランティアに参加した日の夜の出来事は、私にとって一生忘れられないものとなりました。
それは、入浴のために銭湯へ行き、湯船に浸かっていたときのことでした。60歳ぐらいの年配の女性から、「どこから来たの?」と声をかけられたのです。笑顔の優しいその女性は、地震で被災された方でしたが、初めて会った私に、これまでのご苦労などを話してくださいました。
「地震が起きた頃は、ショックで誰とも話せなかったの。ようやく、こうして話せるようになったのよ。この手、見て。荒れてるでしょ。なかなか治らないのよね。」
そう話しながら、赤く腫れた両手を見せてくださいました。そっとその手を触らせてもらうと、手の甲・ひら・指のすべてがタコのように硬くなり、まるで女性の手とは思えない程痛々しい状態でした。
私は、実習で作ったクリームを持ってきたことを思い出し、いてもたってもいられず、お風呂から上がって手を見つめているその女性に、「これ、私が作ったクリームですけど、良かったら使って下さい!」と、勇気を出して手渡しました。
その女性は、「家の中はまだ地震が起きたときのままで、ハンドクリームがどこにあるのかわからなくて困っていたのよ。本当にいいの?ありがとう、嬉しいわ!」と、喜んで受け取ってくれました。
<たとえ少しでも、役に立てたかもしれない>
そう思えた私は、涙が出るほど嬉さがこみ上げてきました。その喜びを休憩室にいた友人に伝えていると、その女性がやってきて、少し離れた場所に座り、手にクリームを塗りながら、私に向かって笑顔で手を振ってくれたのです。
その笑顔がとっても優しくて可愛らしくて、目にやきついて、今でも忘れることができません。私もとびっきりの笑顔で一生懸命に手を振りました。
まさか自分で作ったクリームが、このような形で人に喜んでもらえるなんて……。
ボランティアから戻ってからも、「今頃、クリームを使ってくれているかな」と思うたびに、嬉しさが込み上げてきました。
ボランティアに参加しなければ、アロマと出合わなければ、こんな思いを感じることもできなかったと思います。そして、アロマは人を癒すだけでなく、人と人とを結びつけてくれる力があることを知りました。これからも、より一層アロマがたくさんの人に喜ばれるものになるように、もっともっと勉強して広めていきたいと強く決心したのです。
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