
それまで何でもそつこなしていた私にとって、それは、自分が頑張っても出来ないという初めての挫折でした。やがて、スムーズにいかない悔しさから逃れようと、ついにはお酒に手を出すようになっていきました。胃が痛いにもかかわらず、止める事は出来ません。自分をコントロール出来なくなっていたんですね。身体は会社を拒否するようになり、通勤途中で激痛に襲われ引き返してしまうことも1度や2度ではありません。数日休暇をもらい療養したものの、会社の期待に添えない悔しさや仕事が出来ない自分が情けなくなり、不眠症になってしまいました。
そんな私にある人が、こんな言葉をかけて励ましてくれたのです。
「会社はあなたが辞めても成り立っていく所。身体を壊しても会社には関係ないんだよ。むしろ、職員を労われない会社なら辞めていいと思う。車に車検があるように、人間にも“車検”が必要なんだよ。休養して、元気になったらまた働けばいいんだから」
その瞬間、私は退職を決意する事ができました。
しかし上司に退職願いを出した後も、残された仲間のことを考えると申し訳なさでいっぱいで、落ち込む毎日を過ごしていました。そんな疲れ果てた私を見た友人が、「アロマテラピーを受けたり、ヒーリング効果のあるCDを聞いたりしてみたら?」と勧めてくれたのです。私は香水や芳香剤などの匂いが大嫌いでしたが、すがる思いでお香付きのCDを購入し試してみたところ、不眠に悩んでいた私がぐっすり眠れたのです。まるで暗闇から光がさしたようでした。
その数日後、普段ほとんど見ない新聞広告のチラシを見ていたら、偶然、アロマテラピーの学校が生徒募集をしているチラシを見たのです。吸い込まれるように、<これだ!!>と思い、直ぐに応募したのです。
初めてアロマオイルの蓋を開けた瞬間、心地よい匂いが漂い、自分が癒されていくのがわかりました。嫌いなものが好きになるなんて、本当に不思議ですね。
それからの私は、徐々に“アロマの力”に魅せられていったのです。
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