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「いったい何がしたいの? 何が不満なの? どうしてほしいのよ!」
自分で自分がわからなくなることもしばしば。流されるように過ぎ行く20代は、なんとなく居場所がないような気がして、いらだたしい。
すっごく楽しみにしている30代を迎えるにあたり、気持ちを新しくしたかった。何かきっかけがほしかったし、無性に自分自身に課題を課したくなった。

そこで一念発起。職場までの10キロの道のりを、マウンテンバイクで通うことにした。地図を開いて、なるべく自動車の少ない裏通りを探し、通勤路を研究。バイク用の手袋と毛糸の帽子を準備。運動靴も軽くてフィットしたものを新調した。
季節は10月。初日は、思いもよらず、どきどきと胸が高鳴った。
朝の空気がとても澄んでいて、きれいなことを知る。小学校の集団登校の子供たちが、とっても上手に整列して歩いているのに感心。見送りに出ている母親たちの、見送ったあとの立ち話が長いことに閉口し、自転車で通勤通学している人が意外に多いのに驚いた。
10分も走ると汗が出てきて、体中がぽかぽかしてくる。走ってみて初めてわかったことは、やたら独り言が多いこと。そして、走りながらいろんなことを考えられること。約45分の道のりがとても楽しくなってきた。。。。のも束の間、12月に入ると寒さが厳しくなって、頬にあたる風のなんと冷たくて痛いこと。
それでも、冷たく澄んだ風にはむかいながら、ときには後ろから押してもらいながら、マウンテンバイク通勤は続いた。

これまで、こんなに一人の時間を楽しんだことがあったかな。走りながら会話する相手は自分だけ。問い掛けては答え、怒ってはなだめ、落ち込んでは励ましている自分がいた。どんなに寒い日でも、着くころには体はぽかぽかだったし、気持ちもすっきりとしていた。
マウンテンバイクに乗りながらの一人の時間。お陰でじっくりと落ち着いて自分と向かい合う時間がもてたと思う。春が過ぎて、体中が汗だくになってしまい、シャワーなしではどうにもならなくなった頃に、ひとまず電車通勤に戻ったが、また、紅葉の頃を待って走ろうと思っている。
「自分と向き合う」には絶好の機会だから。 |