女の生き方ファイル

見えなかったもの

マリ 23歳

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私自身、今回のことを通して今まで見えていなかったものが、見えた気がします。
ことの起こりは今年の3月に車を運転中、焦点が合わないことに気がつき、4月に入ってから眼科を受診したことからでした。言ってみれば、見たいものの中心が黒く塗りつぶされた状態で、その部分が見えないという症状です。私自身理容師を職業としているので、片目が見えないということはかなりのハンディのため、一時は仕事をやめることも考えました。

大学病院に行くことを最初に受診した眼科の医師に勧められて、半月後、大学病院を受診したところ、「突発性新生血管黄斑症」と診断され、現代の医学では症状の軽減はしても完治することはきわめて難しいと言われました。
症状の軽減をはかるためステロイド剤を処方され、しばらく服用していたところ副作用からくる胃潰瘍、十二指腸潰瘍、情緒不安定、肝臓障害などかなり苦しい思いをしました。ちょっとしたことで泣き喚き、相手を怒鳴りつけ、周りにもかなり苦しい思いをさせてしまいました。(今もまだ服用していますが、だいぶ薬の量が減ったため、だいぶ症状は軽減されていますが・・・)

「私の気持ちなんかわかんないよ!!」と、ある日ふとしたことから母に投げつけた言葉を弟が聞いていて、帰ってきた言葉は、「わからないよ、100パーセントは。だから少しでもわかろうとしてるんじゃん。だから全部吐き出してごらん。きいてやるから」。
この言葉から、言うことも言わないでわかってほしいという私のわがままに気づかされました。
泣き喚く私が泣き疲れて眠るまで、いつも何も言わずにただじっと話を聞いてくれていた弟や、母や、彼氏のことを考えてみたら、申し訳なさで涙が止まりませんでした。

その後、薬が効を奏して、幾分薬が減ってきたため、それに伴って症状も落ち着きました。
私が一番苦しんでいたときのことを彼氏に聞いてみましたが、「あの時はどうすることもできない自分がきらいだった」と、私を一切責めることもしないで自分を責めていました。その言葉は、「私一人で苦しんでる」と思い込んでいた硬い心をやわらかく解きほぐしてくれました。

今もまだ治療を続けており、副作用もありますが、自分の気持ちを今までより整理していくことができるようになりました。
自分の気持ちがパニックになりそうなときは、思いを言葉にすることで落ち着けるようになりました。
今まで見えていなかった周りの気持ちも、自分なりに理解できるようになりました。
温かい周りの人間に囲まれて、私の眼も回復してくれている気がします。もう少し、私には時間が必要だと思います。でも今までみたいなかたくなな私にはならないように、生きていこうと思っています。

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