女の生き方ファイル

自転車大作戦

ペコ 24歳

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24年生きてきて、たいした得手不得手もない私だが、ひとつだけ、これは絶対無理! という“技能”がある。それは、自転車に乗ること。小さい頃、自転車は危ないから乗っちゃだめ、三輪車でも公道を走っちゃだめと、母親にきつく言われてきた。母親の言うままに、マンションの駐車場で三輪車やゴーカートのおもちゃを走らせて遊ぶ子だった。小学校に上がるまで、そのことに何の疑問も持たなかった。

だから、小学校に上がってやってきた自転車講習は悲惨なものだった。生徒は「自転車に乗れる組」と「乗れない組」に分けられ、これはなんとしても乗車できるようにならねばと心に強く誓った。毎日毎日、傷だらけになって練習した成果が実り、ようやく補助輪なしの自転車に乗ることができた。ただ、駐車場より外にはとうとう出られなかった。

あれからウン十年。もう自転車に乗れない自分をすっかり記憶から抹消していた。ところが、今年の誕生日、友人が自転車をプレゼントしてくれたのだ。折りたたみ式で、スカイブルーのボディもかわいい。そして彼女は私の暗い過去を知らない。<なんて喜びにくいものを……>と、心の中でつぶやいた。

しかし……、もらったものは使わないわけにはいかない。平日の真夜中、自転車を押しながら公園の広場に向かい、サドルにまたがってみた。不安になって周囲を見回す。人気はない。思い切って、片足をペダルにかけ、もう片方の足で地面を蹴った。よろよろよろ〜とたよりなく5メートルほど進み、ストップ。蹴っては進み、蹴っては進みを何度か繰り返し、ようやく、両足をペダルに乗せたままでも走れるようになってきた。<うん? いけるかもしれないぞ>。およそ1時間後、冷や汗と脂汗まみれの私は、広場をぐるっと一周することができた。

1人でこの喜びをかみしめた私。その後数日間は、肩と膝と腿の筋肉痛に苦しんだものの、私は数年来味わってこなかった達成感というものに感動し、胸が熱くなった。
……と思っていたのだが、よくよく考えると広場は公道ではない! わたしの夢は、自転車をくれた友人と2人で、チリンチリンと自転車のベルなんか鳴らしちゃいながら、さわやかに公道を走ることなのだ。さらに言わせてもらえば、子どもが生まれたあかつきには、桜の花びらが舞い降りる中、子どもを乗せて入園式に向かいたいのだ。
まずは、家の最寄のコンビニまでの買い物を目標としている。その距離100メートル足らず。がんばってくれ、私。

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