女の生き方ファイル

教育実習でバージョンアップ

K.F@2001 32歳

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私は一昨年の4月に、それまで看護婦として働いていた病院から母校の看護学校に移動し、教員として働いています。人に何かを教えるにはそれ以上に自分が理解していなければならず、日々勉強の毎日です。
そんな中、昨年一年間の看護教員養成研修に行かせていただく機会があり、看護教員としてちょっとした意識の変化があったのでここに書きたいと思います。

教育実習でのことです。その中で私は、実際に都内の看護学校で臨地実習(看護学生が実際に病院で患者と接するという体験を通して学習する)を担当させて頂きました。
私が担当した学生Aさんは、末期ガンの患者さんを受け持っていました。末期ガンの患者さんの看護では、その看護者の死生観(死をどのようにとらえるか)が影響してきます。私はAさんの20代前半という年齢から、「死に対してのイメージが薄く、患者さんに必要な看護を導き出すところまでいかないのではないか?」と考えていました。

しかし、Aさんと話をしていくうちに、思った以上に真剣に、そして前向きに過ごすためには何ができるのだろうと悩み、痛みをわかってあげられないと嘆きながらも、感じ取ろうとする姿に看護の原点をみたような思いでした。この出来事を担当教官に話すと「それはAさんだけが特別というわけではないのでは? あなたの学校の学生達もいいものを持ってるのよ」との言葉が返ってきました。その言葉で、それまでは見えていなかったものが見えたような気がしました。それぞれの学生一人一人が、それまでの学習や実習経験や生活で培われたすばらしい感性を持っています。それは、たぶん今までは見ているのに見えなかったことなのかもしれません。

看護に気付きは大切なことですが、その感性を育てていくのには、影から支えていく教員の姿勢も影響しています。看護者として患者に寄り添い、人の痛みを感じとれるような学生を育てていくためには、まず教員自身が学生をよく知り、彼らの感じているものを感じ取れることが大切だという事を学びました。
研修から戻り、校内では「一年間のバージョンアップを終えた」というのが私のキャッチフレーズになっています。性能は一見変わらないように見えますが、容量は多少増えたのではないかとちょっぴり自負しています。

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