女の生き方ファイル

父の定年退職

MOMO 25歳

illust

昨年1月、サラリーマンの父は事実上の定年退職を迎えました。現在は勤務日数及び給与の大幅な削減という条件のもと、週3日程度の出勤をしています。しかし、佼成会のお役で、殆ど毎日地域を駆けずり回っている多忙な母とは対照的に、父は徐々に家に居ることが多くなりました。元来、これといった特別の趣味もなく仕事一筋できた父は、自由な時間が増えても、その有効的な使い方が分からないのでしょう、家ではもっぱらテレビを見ているばかりなのです。

「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ」とは、かつてよくした親子喧嘩での父のきめ台詞。私も思春期当時は反論しましたが、大人になった今では、無論反発の意も思い浮かびません。それどころか、これまでかけた私の心配や我がままを振り返ると、感謝と後悔の念で一杯になります。

私は、両親には相当苦労をかけてきました。中学校に入るまで病弱だったこと、反抗期の親への反発が強かったこと、無理を言って2度も留学させてもらったこと、大学などの受験で無茶をしたこと、更にはなかなか就職しなかったこと等、親にとっての苦労の種を数えあげればきりがありません。特に最近では、いい歳になる娘二人(私と妹)が未だ独身で実家にいること、つまり結婚しないことが悩みの種になっているとは思うのですが、こればっかりは……。

もう半年も経たないうちに、父は完全にリタイアします。飯という物質的な援助を含め、やはり父の“力”なしには、家族はもちろん私も、ここまで生活してはこられませんでした。テレビに向かう少し丸くなったその背中は、楽しそうであり、やや元気がないようでもあります。父の背に私は、「今まで本当にご苦労様でした。ありがとう。これからは親孝行を心がけていきます(なるべく)」と誓い、背すじを正す毎日です。

「ありがとう」トップへ戻る

 

Copyright (c) 2001-2007 Rissho Kosei-kai. All rights reserved.