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昨年の8月頃だったでしょうか。としこちゃんが、私の勤め先である大磯ハウスにやってきました。この大磯ハウスには、登校拒否、家庭内暴力、麻薬依存、自殺願望、精神的な悩みなど、多くの問題を抱える子どもたちがやってきます。私の本来の仕事は、NPO日本リアリティーセラピー協会(カウンセラー養成講座をしています。)理事長秘書としての役割です。ところが、理事長が自宅にて、この大磯ハウスを経営している為、何かと仕事の都合上、私はハウスの台所の一角にデスクを構えることになりました。本当に仕切りも何もない台所の一角にあります。子どもたちは、この台所に食事や団欒に来るため、私は、必然的にハウスの子どもたちと接することになりました。本来の事務所は別の所にあるのに、本当に勤める前には、思い描いてもいなかったことでした。

はじめて出会ったとしこちゃんは、どこかしら不安げな表情をみせていました。笑いませんでした。自分自身が今、ここに生きることが精一杯といった感じです。きっとその頃は自分を愛したり、周りの人を愛したりという発想すらなかったと思います。他の入居している子どもとけんかをし、家出騒動もありました。あのときばかりは本当に心配で、いてもたってもいられませんでした。その後、何度か私のアパートに遊びに来て、一緒に夕食を作って食べたり、寝泊まりをしているうちに、としこちゃんは、私に心の叫びを吐き出してくれるようになりました。私はその叫びに、ただただ耳を傾け、ありのままのとしこちゃんを受け入れていきました。

その後、としこちゃんは、躁鬱病の薬を離脱し、自らがカウンセリングの勉強を始め、自分自身の感情をコントロールすることを学びました。そして、他人に迷惑をかけずに欲求充足をしていくことができるようになりました。
なんと2月下旬には、神父さまと18人のお友だちと一緒にベトナム旅行にも出かけて行きました。帰国したとしこちゃんは、新しい道を見つけていました。来月には、休学していた大学に戻り、看護の勉強に励むとのことでした。とてもすがすがしい、微笑みをしていました。本当に嬉しかったです。
理解者が誰もいない。居場所がない。そんな闇に苦しんできた子どもたちがハウスに来たとき、私は“ホッ”とするものを届けたいと思います。特別なことをするわけではありませんが、一緒にお茶を飲んでおしゃべりしたり、歌ったり、パラパラを踊ったり…。ともに過ごすときを大切にしています。そんな中で、としこちゃんのように、「愛し合うために私たちは創られた」という、すばらしい気づきに出合える日が、必ずどの子どもたちにも来ることを信じて日々を過ごしています。 |